第112章 君は解毒薬

野口颯汰は穏やかな声で言った。

「君のクセからしておかしいと思ってさ。メッセージを送っても返事がないし、電話も電源が切れてた。これはヤバいって気づいて……最短で動くために、黒谷優に頼ったんだ」

南坂海乃が眉をひそめる。

「……あいつに?」

「うん。横尾皓も呼び出してさ。三人で動いて、あいつの汚いネタを洗い出した」

認めたくはない。けれど国内に戻った今、野口颯汰が持っている駒は黒谷優ほど強くない。

あの切羽詰まった状況で黒谷優と組むのが、いちばん合理的だった。

「……わかった」

海乃は俯き、唇をきゅっと結ぶ。不満が顔に出ていた。

野口颯汰はそれを見抜き、諭すように続ける。

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